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建築設備に関する点検

不特定多数の人が利用する特定建築物などは、老朽化や設備の不備などがあると、大きな事故や災害につながる恐れがあります。

適切な維持管理を行うことにより、そういった事故を未然に防ぐため、建物や設備を定期的に調査・検査し、報告する定期報告制度があります。
定期的報告には「建築設備定期検査」「特定建築物定期調査」「防火設備定期検査」「連結送水管耐圧試験」などがあります。

建築設備定期検査

建築設備定期検査とは、ビルなど不特定多数の人々が利用する建物で災害が発生することを防ぐために建物の所有者や管理者に対し建築基準法により定期的な専門家による建築設備定期検査を実施し、特定行政庁に報告するよう定められています。
事前に異常を察知し、事故や災害を未然に防ぐことを目的としています。
建築設備定期検査での検査内容は換気設備・排煙設備・非常用の照明装置・給排水設備などです。

換気設備 換気設備は店舗等室内を新鮮な空気に保つ役割を担うのが換気フードなどの換気設備となります。換気設備点検では換気状態や運転異常の確認、風量の測定、防火ダンパーの作動の確認を行います。
排煙設備 排煙設備は不測の事態が起きた時に室内で発生する煙等を建物外に排出し、人々の生命を守る重要な設備になります。排煙設備点検では、排煙風量の測定や障害物の確認、腐食等の状態確認、設置状況の確認、作動異常の確認等を行います。
非常用照明装置 非常用照明装置は火事や地震等で万一停電が起きた場合に点灯する重要な照明器具です。非常用照明装置の点灯により円滑な避難を行うことができます。非常用照明装置点検では点灯確認、照度測定、障害物の確認を行います。
給排水設備 給排水設備は生活に欠かせない水を使うための重要設備です。給排水設備点検では設置場所が適正か、ポンプの運転異常の確認、腐食・漏れの確認します。人命を守るためにも建築設備定期検査は定期的に適正に行う必要があります。
汚水や中水等と、上水が混触していないか確認します。

八重洲ビルメンテナンスでは、専門知識を有した建築設備検査員が検査し、その結果を報告書にまとめご提供いたします。

法令(2021年7月現在)

  • 建築基準法第12条3項
  • 罰則 点検結果の報告をせず、又は虚偽報告をした場合、100万円以下の罰金

点検報告者

  • 特定建築物の所有者(管理者)は、当該建築物の建築設備の検査結果を定期に報告する義務がある。

点検資格者

  • 建築設備検査員
  • 一級or二級建築士

点検対象と報告期間

  • 特定建築物が対象で、基準は地域(特定行政庁毎)によって異なる。
  • 建築設備定期検査は、毎年実施する
特定建築物 学校 3階以上または2,000㎡以上
複合用途(共同住宅+α) 5階以上かつ1,000㎡以上
複合用途(事務所+α) 3階以上かつ500㎡以上
地階に飲食店、公衆浴場等 500㎡以上
事務所 *1,000㎡以上
・1,000~2,000㎡は5階以上
・2,000㎡超は3階以上
共同住宅 5階以上かつ1,000㎡以上

点検項目

  • ① 換気設備・・・無窓居室の機械換気設備、火気使用室等の機械換気設備、中央管理方式の空調機、火気使用室の機械換気設備
  • ② 排煙設備・・・機械排煙設備の稼働確認、風速風量測定
  • ② 非常用照明設備・・・非常用照明設備の点灯確認・照度測定
  • ③ 給水設備、排水設備・・・給水タンク、貯水タンク、排水槽等

特定建築物定期調査

特定建築物定期調査は、敷地・地盤、建築物の外部・内部、屋上、避難設備等建物の全てを調査するものです。
全体的な調査になるので、各行政では3年に1回の報告としているところが多いですが、2年に1回や、用途によっては毎年報告という行政もあります。
※事務所、共同住宅等、報告不用の行政もあります。
具体的な調査項目は、大きく以下のように分類されています。

  1. 敷地及び地盤
  2. 建築物の外部・外壁等
  3. 屋上及び屋根
  4. 建築物の内部
  5. 避難施設等
  6. その他

建物が建っている敷地から、建物の外部・内部、避難に関わる内容となっております。
特定基準法第12条第1項及び第3項により特定行政庁が指定する特殊建築物等の所有者(所有者 と管理者が異なる場合は管理者)は、定期的に「調査(検査)資格者」によりその建築物を調査(検査)し、その結果を特定行政庁に報告しなければならないことになっています。
消防法に基づく防火対象物定期点検報告や消防用設備等点検報告とともに、建物の構造・避難安全性の確保の上で大切な調査・検査です。
八重洲ビルメンテナンスでは、専門知識を有した特定建築物定期調査資格者が調査し、その結果を報告書にまとめご連携いたします。

法令(2021年7月現在)

  • 建築基準法第12条1項
  • 罰則 点検結果の報告をせず、又は虚偽報告をした場合、100万円以下の罰金

点検報告者

  • 特殊建築物の所有者(管理者)は、当該建築物の検査結果を定期報告する義務がある。

点検資格者

  • 特定建築物調査員
  • 一級or二級建築士

点検対象と報告期間

  • 特殊建築物が対象で、基準は地域(特定行政庁毎)によって異なる。以下、東京都の基準(他県もほぼ同じ)。
    ※横浜等は、報告不用の行政もあります。
用途 規模・階 報告
特定建築物 ホテル 3階以上かつ2,000㎡以上 毎年
学校 3階以上または2,000㎡以上 3年毎
複合用途(共同住宅+α) 5階以上かつ1,000㎡以上 3年毎
複合用途(事務所+α) 3階以上かつ500㎡以上 3年毎
地階に飲食店、公衆浴場等 500㎡以上 3年毎
事務所 *1,000㎡以上
・1,000~2,000㎡は5階以上
・2,000㎡超は3階以上
3年毎
共同住宅 5階以上かつ1,000㎡以上 3年毎

点検項目

  • ① 敷地・・・敷地の地盤沈下・敷地内排水・擁壁・がけ等の現況および維持状況の調査
  • ② 一般構造・・・採光に有効な開口部の状況、自然排煙設備の設置状況、吹付け石綿等の状況の調査
  • ③ 基礎・土台・柱・梁・壁・天井・外壁・屋外設置機器等の欠損、劣化・緊結状況等の現状調査および堀・工作物等(独立看板等)の設置状況・劣化等の現況調査
  • ④ 耐火構造等・・・外壁・屋根・開口部・内装仕上げ等の耐火・防火性能の確認および防火区画の状況、防火設備(扉・シャッター等)の設置・維持管理・点検状況等の調査
  • ⑤ 避難施設等・・・避難通路・空地・出入口・廊下・階段・避難バルコニー・避難器具・非常用侵入口等の設置と維持管理の状況調査。排煙設備・非常用照明装置・非常用昇降機の設置と維持管理の状況調査。

防火設備定期検査

検査の対象は、特定建築物で、防火扉・防火/防煙シャッターや耐火クロス防火・防煙スクリーンを有している建築物です。
※常時閉鎖式の防火設備、防火ダンパー、外壁開口部の防火設備は除きます。

1. 防火扉

随閉式の防火扉の作動状態の確認、設置の状態や各部分の劣化・損傷の確認、駆動装置部分の確認をするとともに、連動する煙感知器、熱煙複合式感知器及び熱感知器や温度ヒューズの作動を検査します。

  • 常閉式・・・常に閉まっている
  • 随閉式・・・常に開いていて連動で閉まる

2. 防火シャッター

随閉式の防火シャッターの作動状態の確認、設置の状態やカーテン部分・ケースなどの劣化・損傷の確認、駆動装置部分の確認をするとともに、連動する煙感知器、熱煙複合式感知器及び熱感知器や温度ヒューズの作動を検査します。

3. 耐火クロススクリーン

随閉式の耐火クロススクリーンの作動状態の確認、設置の状態やカーテン部分・ケースなどの劣化・損傷の確認、駆動装置部分の確認をするとともに、連動する煙感知器、熱煙複合式感知器及び熱感知器や温度ヒューズの作動を検査します。

4. ドレンチャー等

作動状態の確認、各部分の劣化・損傷の確認、加圧送水装置の状態確認をするとともに、連動する煙感知器、熱煙複合式感知器及び熱感知器の作動を検査します。

八重洲ビルメンテナンスでは、専門知識を有した防火設備検査員が検査し、その結果を報告書にまとめご連携いたします。

法令(2021年7月現在)

  • 建築基準法第12条3項
  • 罰則 点検結果の報告をせず、又は虚偽報告をした場合、100万円以下の罰金

点検報告

  • 特殊建築物の所有者(管理者)は、当該建築物の防火設備の検査結果を定期に報告する義務がある。

点検資格者

  • 防火設備検査員

点検対象と点検内容

用途 規模・階
特定建築物 学校 3階以上または2,000㎡以上
複合用途(共同住宅+α) 5階以上かつ1,000㎡以上
複合用途(事務所+α) 3階以上かつ500㎡以上
地階に飲食店、公衆浴場等 500㎡以上
事務所 *1,000㎡以上
・1,000~2,000㎡は5階以上
・2,000㎡超は3階以上
共同住宅 5階以上かつ1,000㎡以上
  • 防火戸・防火シャッター・クロススクリーン等、常時開で感知器等で自動閉鎖をする(随閉式)が対象で連動状況及び動作確認や機器本体の状況確認を検査する。

連結送水管耐圧試験

連結送水管は消防用設備等のうち「消火活動上必要な施設」の一つで、消防隊が消火活動を行う際に消火用の水を火災が発生した階まで送水するために、高層建築物、地下街等に設置される設備です。
連結送水管は、送水口、放水口、放水用器具格納箱等から構成されており、火災の際には消防ポンプ自動車から送水口を通じて送水し、消防隊が放水口にホースを接続すれば消火活動ができるようにした設備です。
連結送水管の耐圧試験には、連結送水移管を新設・改修した際に行う「耐圧放水試験」と、設置をした日から10年を経過した際等に行う「耐圧性能点検」とがあります。また、「耐圧性能点検」には、各種ホースの耐圧点検と連結送水管の配管の耐圧点検とがあります。

法令(2021年7月現在)

  • 消防法第17条3の3。
  • 罰則 点検結果の報告をせず、又は虚偽報告をした場合、30万円以下の罰金また は拘留(消防設備点検同じ)

点検報告

  • 防火対象物の権原者は、連結送水管の耐圧性能点検の報告を行なう義務がある。

点検資格者

  • 消防設備士又は消防設備点検資格者

点検対象と点検内容

①配管をした日から10年を経過した連結送水管(改修してから10年)
⇒連結送水管の送水口から送水加圧した後、締切静水圧(設計送水圧力)を3分かけ圧力の低下を確認して、耐管耐圧性能(変形・漏水の状態)を検査する。

点検期間

  • 3年毎

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